JPX天然ゴム先物相場(中心限月)は、1キロ=250円水準まで軟化する展開になった。中国で新型コロナウイルスの感染被害が一段と深刻化したことを受けて、中国経済の減速懸念を織り込む動きが優勢になった。産地相場の値下がり傾向が続いていることもネガティブ材料視され、3月18日以来の安値を更新している。円相場の動向はあまり材料視されなかった。
中国では3月頃から新型コロナの感染被害が広がりを見せ、香港に続いて上海でもロックダウン(都市封鎖)が行われた。その後は感染被害が落ち着く兆候が見られたことでロックダウン緩和の動きも始まったが、依然としてロックダウンは解消できていない。加えて、4月下旬には首都北京でも感染被害の拡大が報告され、大規模検査が実施されている。その結果次第では北京もロックダウンの対象になる可能性があり、ゴム需要の落ち込みが強く警戒されている。